「なるほど、我が学園の課外実習を取材したい、とのことですか」
そうアゴヒゲをなでながらうなずいたのは東京テルマエ学園のミネルヴァ学園長だった。
オレはその言葉を引き継いで静かに話していく。
「はい。このミネルヴァ学園は日本、いや世界でも珍しい温泉経営を専門とした学園です。温泉とは日本の伝統文化でもあり、その文化の再興に尽力するミネルヴァ学園長のご活躍は業界から高い注目を受けています。そこで、温泉文化の未来を担うために努力する学生たちの姿をアイドル風のドキュメンタリーにすることで、この学園のさらなる評判にも繋がると思い、提案させていただきました」
よくこんなに言葉がつらつら出てくるなー、とは自分でも思う。そもそも、温泉の取材レポートは社長のお色気狙いから出た案である。それを岩田が急場仕込みでそれっぽい企画に直したのだ。その受け売りで弁舌をまくしたてているが、どうにも自分の身の丈にあっていない感じがして馴染めない、岩田からは「ディレクターのお前が話すべきだろう」とは言われたものの。
(しかしすげえな、こりゃ)
話しながらも俺は周囲が気になってしまった。なにせ、丸っきり現代日本にはそぐわない、古代ローマ建築のような学園なのである。まるで歴史的絵画の中にぽつんと置かれたような感じがする。どう考えても日本人スタッフの俺たちは場違いだ。そのうえ……
気のせいかもしれないがミネルヴァ学園長の視線がさっきから隣の三波に向いているような気がする。学園長はどこかの揚げ鶏店のシンボルを思わせるような穏やかな印象の好々爺に見えるのだが、さすがにIT企業を起点に多角的な経営に乗り出している強者というべきか、穏やかな表情の端々に鋭い眼光と圧が見える時があった。三波も気付いているのだろう、身体をたまによじらせている。
ミスコンに選ばれたほどの可憐な美貌を持つ三波だが、もともとそれは友人が勝手に応募したもので、自身の魅力への自覚は薄いようだ。どころか、極度のあがり症である彼女はミスコンに参加したときも最初は緊張しっぱなしでろくに喋れなかったのだが、そのたどたどしさがあどけない顔つきとバッチリ噛み合い、圧倒的な支持を得て優勝した、ということらしい。
くわえて、その童顔とは対照的に、豊かなヒップとEカップはあろうかと思う胸。ウェストのくびれとの対照が男の獣欲を駆り立てるようなもので、デニムのホットパンツでそのしなやかな肢体をこれでもかとばかりに強調しているのだから、DODOTVの視聴者にも密かに人気があった。無論、三波本人はそれら全てを知る由もない。レポーターになって以後は「番組のためならなんでもやる」という言葉を覚悟に、カメラがある時は積極的に仕事に取り組むようになったが、その無防備さを感じさせる様子もまた彼女の内なる色香を引き立てている。ま、ミネルヴァのような爺さんでもそりゃあ見てしまうだろう。
「それで、今回の企画についてですが……」
「いやいや、実に素晴らしいご提案です。もちろん協力させていただきましょう」
どうやら俺の弁舌は上手く行ったらしく学園長の反応は良かった。岩田や三波も安心しているようだ。
「実は当学園も、未来の女将として学んでいる彼女たちも、温泉アイドルとして活動させようとしておりまして……アキさんと七瀬さんにはすでにお会いになられたようですね?彼女たちも「温泉アイドル」というものを卒業課題にしているようなのです」
「へえ、じゃあ今回の企画とぴったり合ってたってことですか!こりゃいいや、今回の企画の主役は決まったぞ!」
秘湯で出会った彼女たちの魅力は俺に鮮烈な印象を残していた。彼女たちを撮影できるならこの企画の成功は決まったも同然だ。加えて、個人的にも俺は彼女たちを撮影したかった。
「ええ、DODOタウンさんと当学園は良好な関係を維持しております。その一環として我が学園のアイドルたちの魅力を世界に発信していただければ、これ以上ありがたい話はありません」
あれっそうだったのか?俺は表情には出さなかったが内心驚く。社長も事前に教えてくれりゃいいのに。だが確かに、ミネルヴァ学園長ほど多角的に事業に手を出しているなら驚くことでもないか。
「ますます素晴らしい!ではさっそく、撮影の日程を組ませていただきたいのですが……」
俺の言葉を受けるように学園長が「ゆかり女史!」と声をあげると、ハイヒールの音を鳴らしながら妙齢の女性が入室してきた。
いろんな女を見慣れてきた俺でも思わずかたずをのむとんでもない美人だった。すらりとしているが肉付きのいい美脚を強調するかのようなタイトなスカートは、何もしなくてもパンティが見えてしまいそうなほどに短く、開いたブラウスからはこぼれそうなほどの双丘がそれでも居心地悪そうに揺れている。
きりりとした怜悧な眼差しは、知的であるだけでなく、氷のようなゾクリとする色気をまとわせ、キュッと結ばれた唇を口紅がこれまた魅惑的に光らせる。誘っているようでもあり、冷たく挑発しているようでもある。男が彼女と二人っきりでいれば、理性を保たせる方が難しいだろう。ていうか俺も無理だ!
「が、学園長、こちらの方は……」
「彼女は橘ゆかり女史です。当学園で教師をしていただいております。また、アキくんたちの担任でもあります。早速これより、当学園の講習の様子を教えてくれるでしょう」
「こんな美人が温泉の講習だなんて、テンション上がるな~」
「もう、ディレクター、女の人の講習だからってそういうのとは限らないですよ……」
苦笑してそう言った三波の言葉が違うことを、この直後に彼女は自分で証明することになるとは俺たちはまだ知らなかった。
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「秘湯チャンネルの濱崎三波です!今回、私たちは、あの噂の東京テルマエ学園の講習をレポートする許可を得ることが出来ました!」
ビキニ姿になった三波が、ローマの公衆浴場のような浴場で声を張り上げる。撮影前の緊張はどこ吹く風で、わずかに羞恥で頬が上気しているものの見事なプロのレポーターだった。
いつもこの切り替えには俺も感心している。
「今回は、こちらの橘ゆかり先生が、その講習の様子を私たちだけに教えていただけるとのことです!ではゆかり先生、この学園の講習がどういうものか、教えていただけますか?」
ゆかり女史が頷くだけでバストが揺れた。バスタオルで身体を包んだゆかりのプロポーションは緩やかに包まれながらもその女体の魅力を隠しきれずにアピールしていた。
「はい、それでは今回は、こちらの男子生徒……鈴木くんに協力していただきます。鈴木くん、できるわね?
「は、はい……」
鈴木と呼ばれた男子生徒がもじもじしながら答えた。女のような童顔が印象的な小柄な青年で、今回の講習のためにゆかりに呼ばれたようだ。カメラの前でバスタオルをまといつつも裸になったのが恥ずかしいらしく、どうもカメラを意識しすぎている。岩田は気にしていないようだが撮影になるかどうか……と、彼の背中にゆかり女史が指を這わせた。
「落ち着きなさい、あなたは出来る子よ?私に全部任せていればいいの。すぐに終わるわ……怖くないのよ」
その言葉に鈴木は顔をますます赤くする。俺はこっそり岩田に囁いた。
「まるでその手のビデオみたいだな」
「ああ、そういう視聴者も呼び込むための企画だからな……間違いじゃない、このまま回すぞ」
カメラは三波やゆかりの胸や尻を重点的に映している。いかに露骨でなく、しかし視聴者の劣情を煽るように最適な角度で女体を映すかを岩田はよく知っていた。俺はこいつの撮影技術と判断をなんだかんだで尊敬していた。ゆかりが講義を続ける。
「温泉で女将がやることの基本は、いかにお客様に気持ちよく入浴をしていただくか、にあります。例えば、混浴の時に、お客様とたまたま同伴した時に、その気持ちをいかに汲み取って、行動するか……」
「あの……女将が混浴の時にお客さんと一緒になることってそんなに頻繁にあることなんでしょうか……」
三波の言葉は場の流れにあっさり無視される。
「そう、このように、お背中をお流ししてあげること、そうした腕を磨くのもまた、当学園の教育なのです」
そういってゆかり女史が鈴木の背中を流し始めた。もちろん身体を洗うからと、バスタオルを取っていたので全裸姿である。
ゆかりも白く長い指先に巧みに力を入れながら手を上下させる。それに合わせて身体もくねらせ時折乳房が男子生徒の背中にぶつかり、潰れていく。
(って、まじでAVみたいだな)
●ここからが、三波の㊙体験レッスンシーン
終わり
東京テルマエ学園 本作品を読みたい方はこちらまで
https://tokyo-terumae.com/
こちらは活字のR-18的要素の続きが読めるのでしょうか?
イラストだけでも漫画家さんの方にかなりの制作コストが掛かってますので、
R-18作品というカテゴリーは、一応小説と漫画のみで行う予定です。
いずれは実写版も作る予定です。
漫画だけでもそそられるのに・・・
実写化したらヤバいかも。。。
次は実写でお願いします。
オフ会でも、お願いします?
興奮しちゃいました!
こんな学校マヂあればいいな!
これはいいね
実写版やったらやばいですね、期待しています!
読みものもいいですね!
実写版も期待です。
なんて素晴らしい学校だ。
これは取材してみたい。
いいですね!実写化期待しています!!
実写化…ドキドキしますね。
素敵な学校です 笑
実写化期待しています!
是非よろしくお願いします!
この漫画が実写になればすごい作品になりそうですね!!
実写?良いねえ~なんか凄いことになりそう❗
すごい!
連続してアップされているなんて!
読み進むうちにハード内容を連想させますね。
皆さんが仰るように、実写版も期待してしまうます。
実写化したら、その辺のAVよりもエロくなりそうですね
こんな実習あったら卒業なんてしたくねぇな!
内容がとても面白いですね!次回も楽しみにしてます!
ぜひ、実写バージョンを作ってください。
楽しみにしてます
文才ありすぎでしょ
興奮しますね
小説版もじっくり読みたいですね!!