★R-18小説「東京テルマエ学園」第1話「美人秘湯レポーター登場!」(出演:佐竹ひな)

志賀高原の奥に沸く伝説の秘湯として知られる「切明温泉」。

国道405号線に沿って流れる中津川、その源流である魚野川と雑魚川の
合流地点手前の川原には、100mほどの区間ではあるが地熱地帯がある。

一見、何の変わりない川原だが、何処を掘っても即温泉が湧出するのだそうだ。

その取材に行こうと、俺たち旅番組制作班がその温泉のある旅館に向かった。

俺の名前は「高杉龍馬」28歳。DODOTVの番組ディレクターでもある。

カメラマンには同僚の岩田。レポーターの女性には今年入社したばかりの三波の3人が今回の取材陣だ。

「DODOTV」とはIT企業のDODOタウンの経営の一環として創った有料チャンネル。

スポンサーを一切入れずガチンコライブで視聴者の注目を集め、その視聴料だけで利益を得ているTV局。言わばCS放送と全く同じ仕組みなのだ。

最近はプロボクサーに勝ったら1000万円賞金を出す企画とか、もしアイドル女優が一般客に扮して何かをしたらのモニタリング企画とか、それなりに視聴者受けするような番組企画を作っているのだが、その時だけウケても持続性がない。

ネットTVの多くは映画やドラマを引っ張り、その視聴料で食っていけるのだが、なぜかDODOだけが、ユーチューバーのように全てガチンコ企画で勝負するポリシーなので、企画が面白くなければ、利益が立たないのである。

実際本体のネット通販事業のDODOタウンこそ3000億もの年間利益が上がってるのだが、DODOTVだけは毎年30億円もの赤字を出し続けまくっている。

こんな無駄なこといつまで続けてるんだと社長から文句の一つも言われそうな話なのだが、社長はいたって安穏としており、面白いものを続けている限りいずれは花が開くと一向に赤字垂れ流しでも止めようとはしない。

まさに創業者でもあるカリスマ社長の創った大がかりなる趣味の領域なのである。

今回の「秘湯温泉ゲリラレポート企画」も社長から出た案で、秘湯に入る女性たちを狙ったワニ企画というものなんだが、こんなもの単なる変態覗き企画であって、実際秘湯の露天風呂になんか入るようなうら若き女性なんているはずはないし、まして俺たちレポーターが取材に来たとなると、逆にワニ扱いされ入浴している女性なんかさっさと逃げちまう。

ローカル番組だと予算の都合上、ギャラの高いタレントなんかは使えない。

たまに、“元ミス◯◯”みたいな下手なレポーターを使ったりするけど、このときは新入社員の濱崎三波を同行させた。

三波は2年ほど前にミス◯◯に選ばれ、1年間ミス◯◯として活動後、番組レポーターとしてデビュー、現在22歳だ。

今年四大を卒業したばかりの新人アナウンサーでもあるが、大手の放送局はすべて落ちてしまい、最後に受けたのはこのDODOTVだった。

目がクリッとして明るく黒髪セミロングの可愛い子なんだが、アナウンサー志望の割には面接でいつも緊張してしまい、思ったことの2割も話せない性格で、さすがに数十社も落ちてしまい、最後に受けたのがこのDODOTVだったのである。

面接のときに社長が、「君はさっき視聴率のためなら何でもするって言ったね?本当に何でも出来るかね?」と質問した時、

「はい、なんでもやります。ぜひ私を使ってくださいお願いします」

と言った一言で、局アナとして採用されたのである。

俺は彼女を何回か取材レポーターとして使ったことがあり、お互い顔見知りなのだが、今回は技術スタッフ兼カメラマンの岩田と俺と、三波の3人での1泊2日の取材だった。

この日は温泉場の取材。

普通の旅番組だと、お決まりの入浴シーンはあるけど、基本的に水着を着て、その上にバスタオルを巻くのでエロチックな雰囲気など全く無い。

ただ、この日はちょっと違った。

まったくの許可なしで取材をするとなると場合によっては警察に通報しかねられない。

当然宿の支配人からは「ダメだ」と取材拒否される。

何とか取材させてもらえないかと頼んだら、支配人は少し考えた後、「明日の早朝なら大丈夫だと思う」と言った。

俺たちはその日はひとまず別の宿に引き揚げ、次の日に再び旅館に訪れると、今度は「切明温泉」の取材を許可してもらえた。

支配人に話を聞くと、何か東京に温泉の専門学校とやらが出来て、その生徒たちが泊まってるからと取材を拒否したのだそうである。

ただ切明温泉の場合、早朝は人気がないはずだから、温泉を映すだけなら良いのだそう。

昼間は家族連れとかの入浴客も来ているから、早朝6時~8時の間なら問題なさそうとのことであった。

その温泉とは露天風呂で、宿の外にある河原から自然に湧き上がっているのだそう。

まさしく大自然の野天風呂なんだそうである。

ただ川に入っただけでは温かいわけではなく、近くを掘らないとお湯が沸き出てこない。

先人が穴を掘って作った温泉が所々にあるので、そこに浸かればわざわざ掘ることもないのだそう。

しかし一体、俺たち番組レポーターは何故「河原の湯」への取材が許可されたのだろうか。

「腕まで組んで、まだわからないのかい?」

カメラマンの岩田はカメラのレンズを拭きながら、悩みに悩んでいる俺をじっと見ていた。

「うむ、さっぱりわからん」

俺の言葉に、岩田は疑問を解いた。

「そりゃそうだろ。天然の露天風呂なら合法的に混浴のはずだから女が入ってたとしても問題ないだろ?だったら取材を装って入ればいいじゃないか」

岩田が熱弁をふるう中、俺は「ははぁ、」とため息をついた。

「まあ、そういう欲は男にはあるだろうが、そもそも俺は『女湯に取材に行く』とは言ってないぞ?」

「……はい?」

岩田の説明に対して、納得がいっていない様子の俺。

すかさず岩田はこう言った。

「だから、俺は『河原の湯に取材に行く』と言っただけで、『女湯に取材に行く』とは言ってないだろ。男が女湯に行ったら、さすがにまずいだろ」

「なら何か? その『河原の湯』は宿とは全く関係のない自然の露天風呂だったとでも?」

「その通り」

俺の発言に、岩田は右手の人差し指を挙げた。

「温泉の中には、自然に沸いている野湯というものもあるんだ。この旅館の風呂にも男女別の温泉と混浴の温泉の3か所の温泉があるのだが、昨夜から専門学校生が泊まってるって言ってただろう。それに昨日なら生徒たちもその河原の湯に入ってだろうから、宿としては取材なんか薦めはしないだろ。だから早朝に来いって言ったんだろ。自然に沸いてる露天風呂にレポーターが取材する分にはまあ、問題ないだろ?」

一気に説明をする岩田に、俺は思わず両手でぽん、とたたいた。

「なるほど、そういうことだったのか」

「そういうことだ。やはりあんまり温泉に行ったことがないんだな。まぁ今回の取材で勉強しとくんだな」

そういうと、岩田はカメラの入ったバッグを持って立ち上がった。

「……って、ちょっと待て!」

行こうとするカメラマンの岩田を、突如引き留めた。

「ん、どうした? 何か納得いかないところでも?」

「大いにあるぞ」

俺に引き留められた岩田はベンチに座りなおす。

「お前、『入浴中の女性客にもインタビューしたい』って言ったじゃないか」

「ああ、確かに言ったな」

「でも、『河原の湯』には早朝だから誰もいない。そうだよな?」

「ああ、そうだ」

俺の質問に対し、岩田は何事もなく答える。

「じゃあ何で入浴中の女性にインタビューできたんだよ? まさか、野生のメス猿にインタビューしたいとでも?」

「入浴中の、って言ったじゃないか。何だ?お前は猿に混じって風呂に入りたいとでもいうのか?」

「いや、それはこっちのセリフだ。じゃあいったいどういうことだよ?」

あまりに大声でしゃべったのか、俺は半分息切れしていた。

「ん、そうだな。てか目の前に答えがあるじゃないか。ほれ」

そういうと、岩田は目の前の河原を指差した。

遠目に見ると、歩いている女性らしき姿が見える。

「早朝だから、誰も来ない……なるほど、朝風呂か!」

「……っていっても、女性だけだとまずいしなぁ……」

ここまで言ってもわからない俺に対して、岩田はさらに続ける。

「そうだな、例えばお前が一人で混浴温泉に入ろうとして、もし先客が女性たちのグループだったらどうする」

「ん、そりゃ一人で入るには勇気がいるからな。女たちが出るのを見計らって入るさ」

「じゃあ、子供や彼女や嫁と一緒だったら?」

うーん、と考えながら、俺は口を開いた。

「まあ、一人で混浴に行かせるのも危ないから、一緒に入るだろうし……」

そこまで言って俺は、はっ、と岩田の方を向いた。

「なるほど、そういうことか!」

「そういうこと」

やっとわかったか、という表情で岩田は先頭を切って歩いた。

「そう、入浴中の女性っていうのは、案外カップルや親子だと知ると安心するものさ。まあ、インタビューって言っても『お風呂きもちいいですか?』とか、『どこから来たのですか?』とか、その程度だろうけどね」

岩田の説明を聞いて、俺は流石だ、という表情で三波の方を向いた。視聴者が面白いと思えば、どんなことだって平気にやるのが岩田。そのために、この三波を連れてきたのである。

「まあ、三波君が頑張って女の子のインタビューしたいっていうなら、まずは女性に不審に思われないことだろうね」

そういうと、岩田は真っ先に草をかき分け、女性たちの声をする方に向かっていった。その後ろにレポーターの三波。そしてディレクターの俺。

川から吹き上がる冷たい風が三波の顔をなでると、三波は一つくしゃみをした。

6月といっても山奥の早朝はさすがに冷えこむ。

マイク片手に三波は草むらをかき分け、河原の方に向かっていった。

「……ごめんなさい。ちょっといいですかぁ」

●濱崎三波が行く秘湯レポートはこちらから

1時間近く経ったろうか、朝食の時間だということで、二人の女学生たちは上がっていった。

当然脱衣所もない場所で着替えていたため、2人がバスタオルで身体を拭いている姿もチラチラと見え隠れした。

浴衣姿に戻った彼女たちは、18歳とは言え、色っぽさも感じた。

こんな娘たちの裸をタダで見せてもらってよかったんだろうかと、ちょっと悪い気がした。

彼女たちが去った後に、服に着替えた三波が

「いい絵撮れました~。私のレポートもまんざらでもないでしょ」

すると岩田が、

「おお、素晴らしいよ!三波。秘湯シリーズ第一弾、信州の山奥、切明温泉で全裸美少女に遭遇。このタイトルで視聴率アップ間違いなしよ!」

岩田が興奮気味に話すのを尻目に、俺は三波にこう言った。

「でも思い切って脱ぐって、どういう心境の変化なんだい?」

三波は、ニコッと微笑みながら、

「あの子たちの裸を見て、私も場の雰囲気に流されて、女として負けてられないわっていう気になったのと、どこにも負けない番組を作りたかっただけよ」

相変わらず能天気な岩田は、
「おー、さすが三波ちゃん。よーし編集で視聴者の度肝を抜いてやるぜ」

いきり立った岩田に対し俺は言った、
「おいおい待てよ。ちゃんとタオルで隠してる所だけを編集するんだよな」

「大丈夫任せておけよ!ディレクター。しかし、あの子たちの脱ぎっぷりの良さ。ありゃ、番組に使えるよ。東京テルマエ学園って言ったよな。今度、学園の課外実習をドキュメンタリー風に取材するって、どうなんだい」

岩田の思いがけない提案に、俺も同調しながら、

「俺もその案を今考えてたとこなんだが、彼女たち将来は温泉女将になるって言ってただろ、温泉のアイドルが若女将になるっていう案。これはネタとしてウケルかもしれない。一度学園に交渉に行くよ」

俺はさっきの光景に興奮しただけではなく、もう一度彼女たちに会いたいという思いから、とっさにその企画案を実行に持ち込もうと思ったのである。

終わり

東京テルマエ学園 本作品を読みたい方はこちらまで
https://tokyo-terumae.com/

 

 

 

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全国各地の温泉を回ること30年。そのあいだ回った温泉は2000湯あまり。 秘湯・露天風呂愛好会「なちゅらる」の会員でもあり「混活パスポート」認定者のマイケルです。 アマチュアながら写真歴も45年。当初は風景写真が中心だったのが、山岳写真、温泉写真と変わっていき、その後は女性の写真を撮るのがライフワークとなる。 最近はコスプレモデル倶楽部「アイキューブ」を立ち上げ、毎月定期的にコスプレ撮影会を開催。 その中から生まれた「温泉アイドル」たちが、デジタルコンテンツ「秘湯女子図鑑」にも出演し活躍中。 今後も温泉と女性をテーマに趣味を高じていく予定です。

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  1. この小説はこれからも続けるんでしょうか?

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