モノトーンバックに、靴音が響く
俺の名は、伊達隼人・・・
2年前にこのテルマエ学園の体育教師になった・・・
だが、俺は教育者になりたかったのではない・・・
もとは、格闘家の聖地とよばれる獅子の穴出身のファイターだ。
リングの上では、黄金の獅子のマスクを被り、ライオンマスクと呼ばれ一世風靡していたのだか、酔った勢いで呼び出したファンを襲ったことが明るみに出たことから、執行猶予付きの判決を受けた・・・
例え、K1だろうがなんだろうが戦えば必ず勝つから、地下興業のファイターになったときにこの学園からのオファーがあった。
ガキ相手の体育教師なんて面白くもないだろうが、ここは教師のいうことが全て・・・
つまり何をしても良いのだ・・・
更に女子生徒は美少女揃いと知り、俺はここにやってきた。
そう、俺は再び獅子になるのだ!
「見てください、ここがテルマエ学園です」
校門前に撮影隊が陣取り、その中央にマイクを持った女子アナがいた。
濱崎三波、童顔ながら張りのある体を、ホットパンツ姿で包んでいる。
「なんと、あのライオンマスクがここで教育者として再スタートするんです」
カメラが三波にズームアップする。
「当然ですが、担当するのは体育、しかもレスリングと言うんですよ」
カメラが引き、校門全体を映す位置に戻る。
「それでは、初日の授業を見学させて頂くことにしましょう」
体育館の中心にプロレスのリングが設置されている。
そのリング下に1年C組の生徒たちは集められていた。
「いったい、何が始まるんだ?」
「おい、テレビ局まで来てるぞ!」
生徒たちが口ぐちに騒ぎだしたその時、体育館の照明が全て落ちた。
「獅子だ、お前たちは、これから獅子になるのだっ!」
大音響で声が響いたと思ったら、体育館の入り口から黒い影が走り寄ってきた。
「とうっ!」
掛け声とともに、影はコーナーポストに飛び乗り、仁王立ちになった。
パッ、パパパッ!
複数のスポットライトが交錯し、やがてコーナーポストに立つ影に全ての光が集められた。
「おっ、おい!」
「あっ、あれって!」
スポットライトの光の中に、タテガミの付いたリングマントをはためかせるライオンマスクの姿があった。
鍛え上げられた上半身の筋肉がライトの光に浮かびあがっていた。
「皆さん、ご覧ください! あのライオンマスクです!」
三波も興奮して声が上ずっている。
「俺は教育者として、ここで生まれ変わったんだ!」
声高らかにそう叫ぶと、ライオンマスクはマントをリング下に投げ捨ててマスクを取った。
ホリの深い日本人離れしたイケメンの登場に女子生徒たちが騒ぎ出す。
「ちょっと、先生にしてはまともそうじゃない?」
「そうかもね」
この学園にも、まともな教師かいたかと誰もが思った瞬間、体育館の照明が付いた。
「うわぁぁぁっ!」
「きゃぁぁぁっ!」
生徒たちの悲鳴が体育館に響き渡る。
「なっっっ、なにっ、あれ?」
三波も自分の眼前にある光景を一瞬、受け入れられなかった。
「俺は、もうライオンマスクではないっ! 伊達隼人だっ!」
マイクロビキニのようなTバックパンツは、伊達の股間のふくらみを更に過激に演出させていた。
「あの・・・、さすがにそれは・・・」
三波がやり過ぎと言いたげに声をかけようとすると、伊達はスッと手を出してその言葉を遮った。
「心配はありません、これはリングコスチュームです。授業はもっともふさわしいものに変更しますので・・・」
「なるほど、やはり一流のエンターティナーは違いますね」
三波は客の掴みの為の演出と思ったようだが、次の伊達の行動は体育館の全員を凍りつかせた。
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にっこう仮面は伊達の罠を見抜けず、ヌンチャクを手放し、攻撃を仕掛けた。
「必殺、まんの字固めっ!」
「ふははははっ、かかったな!」
「なっ・・・、何っ!?」
「ガチバトルはな、体重差がものを言うんだよ!」
「しっ、しまったっ!」
伊達は軽々とにっこう仮面を持ち上げ、まんの字固めを外した。
「ふむ、お前もなかなか楽しめそうだな」
伊達はにっこう仮面を軽々と持ち上げると、体を上下反転させて振り回した。
「お前がまんの字固めなら、俺のニューホールドは、ちんの字固めだっ!」
「うわあぁぁっ!」
(さすが、プロの格闘家・・・、一瞬で私の技を見抜いて自分のやり方に変えて反撃してくるとは・・・)
ギリギリと伊達の太ももに力が籠った。
(くっ、苦しい・・・)
「ほらほら、もう少しで落ちるぞ」
(だっ、ダメか・・・)
「お姉さまっ、しっかりしてっ!」
意識を失いかけたにっこう仮面の耳にアキの声が聞こえた。
(あの娘、このままだと・・・、あいつの餌食にされて・・・しまう・・・)
にっこう仮面の脳裏に、伊達に無理やりフェラチオさせられていたアキの姿が浮かんだ。
痛さに耐えきれず開いたアキの口に伊達はペニスが差し込みながら・・
「絶対に歯を立てるなよ、もし歯を立てたら・・・、お前の頭を握りつぶしてやる」
「さすがに俺でも、ここは鍛えようがないからなぁ」
(!?、そうかっ!)
「何だ、何か思いついたみたいだが、お前はもう負けている・・・」
「ふっ、お前の負けが決まったんだよ」
チャリ
にっこう仮面は手を伸ばしてヌンチャクを掴んだ。
「そんなものこの体勢で振り回しても、意味はないぞ」
「いや、ここならっ!」
にっこう仮面は手首のスナップを効かせて、ヌンチャクを操った。
ビチンッ!
跳ねあがったヌンチャクが、伊達のキンタマを直撃した。
「・・・、オッホォォッ!」
この世のものとは思えない叫び声をあげて、伊達は苦悶の表情を浮かべた。
「今度こそ、チャンスっ!」
「必殺、まんの字固めっ!」
「むふぅ!」
「師匠に・・・、伝説のキングオブ獅子王に今の姿を見せられないだろう」
「うぅぅぅっ」
「ふんっ!」
にっこう仮面の両太ももに力が入る。
「終わりだ、伊達・・・。 さらば、ライオンマスク・・・」
「ぐふぅっ、梶原先生・・・、ごめんなさい・・・」 ガク
「手ごわい相手だった・・・」
「凄い、凄いよっ」
「三波ちゃん、早くレポートしてっ!」
「これは特番いけるぞ!」
撮影隊の面々が、にっこう仮面をスクープしようと撮影機材を持ち直しカメラを向けた。
「あれっ?」
「おい、どこへ行った?」
カメラが向けられた先に、既ににっこう仮面の姿は無かった。
チャーンカチャカ・チャーンカチャカ・チャンチャンチャンチャンチャーン
どこからともなくあのテーマが聞こえていた。
そして少しずつ音が遠くなっていく。
「にっこうのお姉さま・・・」
自分のピンチに駆けつけて助けてくれることに、アキが特別な感情を持ち始めていた。
(私・・・、まだ処女ですよね・・・)
「ふーん、にっこう仮面ねぇ・・・」
三波は悪戯っぽい笑みを浮かべている。
「あの娘に張り付いてたら、また会えるかも・・・」
三波の視線の先には、アキの姿があった。
「ねぇ、ディレクター?」
「なっ・・・、何かな?」
「わたし、ちょっとこの学園に興味が湧いてきたんだけど・・・」
三波はにっこう仮面の去っていったと思われる方角を見つめていた。
「あのー、三波ちゃん・・・」
「んっ!?」
「そろそろ、服を着た方が・・・」
「っ!?」
あたりを見回すと、皆が服を着てしまっている。
「もう、早く言ってよっ!」
三波は自分の服をかき集めて、走り出した。
END
東京テルマエ学園 本作品を読みたい方はこちらまで。
本編も読めば、2度美味しいです(笑)
https://tokyo-terumae.com/
更新楽しみにしています!なかなか面白い!
続編読みたいです。楽しみにしています。
続編が気になりますね^_^
次が気になります。
にっこう仮面 なつかしいですね
これからもよろしくお願いします。
ここでもにっこう仮面が登場するんですね!
面白かったです。シリーズ化しそうな雰囲気ですね。続編も期待しています。
続きが気になります!!!
このシリーズも面白いですね!
さすがにっこう仮面だ。
すごいテクニシャンだ。
普通に笑ってしまいました
カオス感が素晴らしいですね。
変態教師になりたい
三波ちゃんいいな
にっこう仮面か
最高!