★R-18小説「東京テルマエ学園」第16話「ソープランド研修編」

「ねぇアキ、この1年いろんなごどが、あっだねぇ」

「涼香、ありすぎよ! 私はもっと平穏な学生生活を送りたかったのに」

「でも、温泉復興のために、ひと肌脱ぎます!が合い言葉だったから、そのために必要なことだったでしょ」

「そりゃまあ、七瀬の言う通りだけど」

「2年目はもっと穏やがに、ひと肌脱ぎだいものだねぇ」

 

 そんな感慨を持って迎えた2年度。残念ながら、アキたちに安寧の日々はまだまだ遠いようである。

 

 東京テルマエ学園には、キャバクラ研修以外に、もう一つ秘密の研修が存在していた。
それが「ソープランド研修」である。

 

 ソープランド研修は、江戸期に盛んであった湯女(ゆな)のシステムを取り入れている。女性従業員が男性客の背中を流したり、髪や身体を洗ったりするサービスである。

 現代では、ローションやアロマオイルで全身をマッサージするサービスも追加されている。

 

 もちろんソープランド研修である以上、目的は抜くことである。さすがに本番まではさせないが、それ以外の方法を使って男を射精に導く。それが今回の研修である。

 

 その研修に、2回生のアキと七瀬、そして新入生の中から後輩の由香と千秋が選ばれた。

 

1.講師は、ゆかり女史?!

 

「ということで、私が直々に講師をやるから」

「「ええっ!?」」

「なによ、そのええっは」

 

 きっとまた変なことをやらされるに違いないという、ええっである。

 

「この研修の講義ができるのは私だけなのよ」

「さすがビッチ先生」

「誰がビッチよ! 私でも一度に大勢の面倒は見切れないからメンバーを厳選しました。それが温水さんと星野さん。ふたりは1期生代表ね。2期生代表で川島さんと岡本さん。今回はこの4名で行います。みんな水着は持ってきましたね。こちらで着替えて次の部屋に入ってください」

 

 水着に着替えたあと、簡単な自己紹介をして研修室に移動した4人は、そこでタオルだけを掛けてうつ伏せに寝そべる男性を見て悲鳴をあげた。

 

「「きゃぁぁぁぁぁぁ」」

 

「八郎、こんなとこでなにやってんのよ!」

「わ、渡くん。ど、どうしてここに?」

 

 文句を言うアキと、ドギマギする七瀬。そして悲鳴を上げたあと呆然と立ち尽くしている新人のふたり。様々な想いが交錯する研修用の浴室である。

 

 

「なにをって言われてても、わいたちは、なぁ?」

「あ、うん。ここでなんかテストサンプルになれって言われて」

「そうよ。このふたりを練習台にして研修をしてもらいます。そのために、わりとどうでもい……頑丈なふたりに協力を要請しました」

 

「いまどうでもいいって聞こえたような?」

「では、背中から始めましょう。こちらにエステオイルを手につけて、背中をもみほぐしながら塗り込んでください」

「どうでもいいはスルーされた?!」

 

「ちょ、ちょっと待ってください、ゆかり女史。私たち、これからいったいなにをさせられるんですか?」

「最初に言ったでしょ。ソープランド研修ですよ」

 

「いま初めて聞きましたけど!?」

「あら、そうだったかしら。まあいいじゃない。ヤることは同じなんだから」

 

「同じじゃありませんよ! ほら、新入生のふたりなんか蒼くなってるじゃないですか」

「だから、あんたたちが見本を見せるのよ。そのうち慣れるから」

「な、慣れるって。そんな適当な」

 

 しかしこれも授業なのだ。やらなければ単位が取れない。ゆかり女史の指導のもと、嫌々ながらマッサージをほどこすことになった。

 

「首から肩のほうに向かって押しながらするのよ、そうそうその調子。手の力じゃなくて体重を乗せて、手の母指球で押すようにすると疲れないわよ。あと、リンパの流れを意識して」

 

 アキはゆかりの指導のもとで、たっぷり手につけたオイルを、渡の背中に塗り込んで行く。七瀬も八郎に対し同じようにした。つもりだったのだが。

 

「痛いっ。七瀬はん、ちょい、それ。強すぎ」

「女性は自分の力が弱いと思い込んでいるせいか、どうしても力を入れすぎる傾向があるのよ。星野さん、もうちょっと抑えて」

 

「は、はい。こうですか」

「あいたっ、痛てててででで、ますます痛いんやけど、あたたた!!」

「あんたはケンシロウか。加減が分かるまで我慢しなさい」

「ひぇぇええぇっ痛い痛いたたたた」

 

 初めて男の裸に触れるということで、七瀬は我を忘れていた。しかも大の苦手な八郎である。そのために不必要に力が入ってしまうのを自分でも止められなかったのである。誰がなにを言っているのかもまるで聞こえてないの。早く終わらせたい、それだけしか脳裏になかった。

 

 一通り終わったあと、新人のふたりも同じように背中のマッサージを行った。

 

2.表を向いて

 

「それじゃ背中はそのぐらいにしましょう。ふたりとも、表を向いて。これからいよいよ本格的にやるわよ」

 

「ワイのチンコの皮も剥いていいですがぁぁぁっ痛いっ」

「八郎は余計なこと言ってんじゃないわよ! 引きちぎるわよ」

「ゆ、ゆかり女史。キャラがどMになって、痛たたた。俺のデリケートゾーンに暴力止めて! あと、なんだかワイだけ呼び捨てなんやけど」

ゆかりは、タオルで隠された八郎の股間を思いっきりつねったのだ。

「八郎はそんな粗末なものさっさと片付け……わ、渡くん、それって、ほんものなの?」

「どうやると偽物がつけられるんですか。そんなにジロジロ見ないでくださいよ」

 

 八郎のは普通サイズであったが、渡のナニは掛けられたタオルの上からでも分かるほどに高くそびえていた。まだ勃っていないにも関わらずである。

 

「これはちょっと問題がありすぎるわね……」

「別に問題なんかありませんって!」

「ちょっと毒性が強すぎるかも」

「俺の相棒はベニテングダケですか」

「ベニテングダケは皮を剥くとうまいらしいで、痛いっての、アキはなんで殴るんだよ!」

「剥くとか言うな八郎」

「いや、ちんこの話じゃなくてな」

 

「この凶悪さは、どっちかというとカエンタケね」

「ゆかり女史、なんですかそれ?」

「口の中に入れただけで爛れるっていう」

「怖っ!」

「だから俺の相棒を毒キノコに例えないでくださいよ!」

 

「あの、わた、わた、私が渡くんのをやります!!」

といきなり、七瀬がゆかり女史に訴えた。

「ちょっとちょっと。七瀬はんは、ワイのチンコ担当にしてぎゃぁぁ。だからアキはそれ握っちゃダメだぐぇぇ」

アキはおもむろに、タオルの上から八郎の股間をつねったのだった。

 

「みんな、好き勝手なこと言わないの。担当は私が決めます。温水さんと岡本さんは渡くんにマッサージをしてあげて。星野さんと川島さんは八郎を担当しなさい。それで文句はなしよ」

 

「「どうして?!」」

 

 アキと七瀬の絶叫である。

 

 アキはいつもタメ口をたたく渡に対し少し苦手意識を持っており、七瀬は八郎を生理的に毛嫌いしており、しかも渡に対して惚れていたからである。

 

だが、そんなことは露とも知らず、ゆかり女史は苦情を無視して担当を決めると、しめやかにソープランド研修は始まった。

 

3.ソープランド研修の始まり

 

 最初は年長の七瀬とアキが見本を見せるということになった。太ももから腰、ウエスト、胸と順番にオイルを塗り込んで行く。このあたりは背中とそれほど変わらない。

 

 男性ふたりは、水着のうら若い女性を間近で見ながらサービスを受けている。

タオル越しにしろ、男の股間の中心部、いわゆる鼠蹊部を念入りにマッサージするのだから当然のようにアソコはタオル越しに勃起をしてゆく。

 

「ちょ、ちょっと。渡、もうそのぐらいにしておいてよ」

タオル越しにそびえたつ渡のナニを見て、呆れた顔でつぶやくアキ。

「バカヤロー。男の生理現象だから仕方ないだろ」

 

「もうそろそろ慣れたでしょ。では、タオルも取って直接手でマッサージしてあげなさい」

と、ゆかり女史は二人のタオルを、あっという間もなく取り外した。

●目前には見たこともない、二人の男性のチンコをモロに見てしまう女生徒たち。

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ついに、渡と八郎の二人は満足しながら若い肌の感触と温もりを味わい、かぐわしい吐息を嗅いで鼻腔を満たしながら、うっとりと快感の余韻に浸りこんでいった。

 お互いの荒い息遣いに混じって、七瀬の左手だけは、しっかりと渡の股間を掴んで離さなかったのは言うまでもない。

(おかしなことになっちゃったなぁ。先生としては止めるべきだったのでしょうけど、この子たちは周りの目が気にならないようだし、川島さんも処女を卒業して、七瀬さんは岡本さんを手なずけたようだし……。まぁ、いいか」

 

・八郎とゆかり女史

「なんかワイ、損したような得をしたような不思議な気分なんやけど」

「良いものが見られて良かったでしょ。生のレズシーンなんてめったに見られないわよ。私までちょっと興奮しちゃった」

「先生が興奮してどないしまんのや。それと」

「なに?」

「ワイの体力にはまだ若干の余裕が」

「はぁ?」

「いや、明日もこの研修があるのなら、立候補しまっせ」

「考えとくわ」

 

・渡とゆかり女史

「あぁ、アキちゃんだけでイきたかったのに。我慢できなかった俺ってダメな男。もう死のう」

「生きろ!」

 

・千秋と七瀬

「星野先輩……」

「なによ? まだやるつもり」

「そんな警戒しないでください。私、負けましたっ!!」

「あ、いや、そんな。負けたっていわれても」

「これからはずっと先輩に付いてきます」

「はぁ?」

 

・アキと由香

「アキ先輩。好きです。付き合ってください」

「ちょ、私はそっちの気は……ひゃぁぁ、そこ触んなっての!」

「もう、アキ先輩の性感帯。覚えたもん」

「もん、じゃないっての。そんなとこに触る……あぁあぁあ。もう、だ、ダメだって……私ってダメな女」

 

 渡に惚れられていても気がついていないぐらい鈍感なアキは、彼氏ができないことを気に病んでいた。しかし、なぜか積極的な女性にはやたら好かれるタイプでもある。

 いつもべったり傍にいる涼香にこの由香が加わって、この先発生するであろうややこしい人間関係に、先が思いやられるアキなのであった。

 

終わり

 

東京テルマエ学園 本作品を読みたい方はこちらまで。本編も読んで、こっちも読めば、2度美味しいです(笑)
https://tokyo-terumae.com/

 

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コメント

  • コメント (10)

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    • たか

    本編が気になります!
    読んでみたい!

    • TOSHI

    温泉復興のために、ひと肌脱ぐ…良いですね笑

    • th

    このシリーズも楽しみです!
    続きが待ち遠しい笑

    • sat.ii

    タイトルからして・・・想像を掻き立てられます。

    • opportunity7415

    続きが気になります!
    早く読みたい!

    • やまと

    是非是非、実写!
    待ってまーす!

  1. おもしろそうなタイトルですね。みたいです

  2. 面白い企画ですね、
    次回作、楽しみです。

  3. すごい研修ですね。

  4. 読んでて楽しい
    こういう研修があったら最高

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